⇒顕彰会会報寄稿
 寄稿
 
               菅茶山と乗如上人

                                黒瀬道隆

菅茶山は近くの寺院を訪ねて、学僧と交流したり、詩会を開いている。黄葉夕陽村舎詩の中にその学僧

の名前がみられる。大空上人(遍照寺)、嶺松上人(光蓮寺)、如実上人(国分寺)、乗如上人(寶泉

寺)、祐教上人(明正寺)などである。他にも龍泉寺、西福寺、東福院、寒水寺などにも足繁く通ってい

る。この中で長期にわたり交流したのが乗如上人ではなかろうか。寶泉寺から発刊された寺伝書「龜居山

觀音院寶泉寺」等を参考にして、乗如上人とはどのような人物であったのか、菅茶山との交流を明らかに

したい。寺伝書にある「高野山寶門主乘如前官壽像」を見て驚くのは、真言宗檀家の仏壇にある「弘法

大師像」と同じ法衣と座す姿であり、高野山真言宗の第三五八世座主で、幕末期に高野山真言宗を率いた

人物なのである。茶山と十一歳年少の乗如上人の関係をみてみたい。

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